2022-12-09(Fri)
昔 アメリカから帰ってきたばかりの頃
役所での手続きをしなければならず出向いた
自分の前に おばあさんが窓口にいて話をしていたのだけれど
その窓口の担当者がひどかった
おばあさんは いわば 素人
窓口の人は その道のプロ
わからない人に わかるようにするのが 役人の仕事だと思うが
その窓口の人は よく理解できないおばあさんに対して
あからさまな侮蔑と嘲笑を加えて怒鳴っていた
見ていた私が憤慨するくらいだから
おばあさんはさぞかし悔しく悲しい思いをしただろう
私も同じ人に当たったが
当時帰国したてで 元号の年を間違えた私にも
そのことを嘲笑した
のちに 母に おばあさんのことを憤慨しつつ話したら
「どうして その場で抗議しなかった!」と言われて 一言もなかった
またある日
会社から帰る 遅い時間の電車
途中で 中年の男女が乗ってきた
人もまばらな車内
ちょうど 私の斜め向かいくらいに座ったその男は
タバコを吸いだした
どうみても マトモには見えない風体
びっくりはしたが 嫌だなぁ と思うだけだったのが私
その時 私の同じ列 しばらく先に座っていた女の子が
「禁煙です!」と声を上げた
相手の男は なにをっ! と凄んで彼女を睨み・・・
とにかく 一触即発の場面になったが
連れの女性が男をなだめて 次の駅で降りて行った
直後彼女は泣いた
怖かっただろうし 緊張の糸が切れたからだろうし・・・
その時の私も ただの傍観者だった
まず
彼女が声を上げた時に 彼女に賛同すべきだった
そして
もしそれができなかったら (できなかったわけだが)
せめて 彼女に詫びるくらいのことをすべきだった
若かったから より未熟だったとはいえ
かように 私には いざ! という時の力がない
それを勇気と呼ぶかどうかはわからないが
今も 私の苦い記憶として消えずにある
勇気は もしかしたら 普段からの準備が必要かもしれない と近頃思う
普段 ぼ~っとして 目先のことばかり
自分のことばかりを追いかけているだけではいけないのだと思う
今更の感はあるけれど
鍛えよう と思うのです
スポンサーサイト