君の心が戦争を起こす
2019-08-10(Sat)
タイトルは 羽仁五郎の著書から
昨夜 昭和に流行した歌を特集した番組を見た
父が好むであろうと思ってのこと
近ごろのテレビ番組は なかなか父の好みに合うのがないのだ
そのゲストに宝田明さんがいた
満州鉄道に勤める父に従って満州に渡った と
当時の日本とは違った西洋風の生活を送り
そして
命からがら日本に逃げ戻った と
その時の話
その頃犬を飼っていたのだが
日本に戻るにあたり 連れ帰れなくなった
友達の犬は毒死させたが
自分の犬にはできなかった
歩いて歩いてようやく列車に乗り込んだその時
置いてきたはずの自分の犬がホームにいた
自分たちの窓をめがけて
飛び上がって ポンポン と前脚で窓を打つ
ヒトはみな 背を低くして 犬に見えないように隠れていた
それでも犬は正しく自分の家族のいる窓に向かって飛び続けた
この時 ヒトの家族も一人欠けていた
一番上の子どもが労働に駆り出された後行方が分からず
列車の都合があったのか その子を置いて 日本に戻った
ずっと後になって
避難した場所にその子が訊ねて来た
宝田さんとその親は驚き喜んだが
置いていかれた子は
「なぜ俺を置いて行った!」と怒りを露わにした
私の涙腺が崩壊したのは犬の話だった
置いていかれた子の話ではなかった
ヒトは帰れたが 犬は帰れなかった
あの犬はどうしたのだろう
どうなったのだろう
家族から訳もわからず放された仔
私は自分という人間をそんなに信用していない
愚かなことだけれど
もし 私が宝田さんだったとして
その犬がタロウだったとして
私は動乱の中 タロウを見捨てずにいれただろうか
タロウを残すのなら 私もこの地に残る
と決意できただろうか
自分だけが生き残る道を選ぶのではないだろうか
そんな疑惑が自分の中に湧きおこる
だから 私は戦争を 非常事態を 嫌悪する
自分が人非人になってしまうような
そんな状況を生み出すものを排除したい
穏やかな普通の毎日が崩れた時
まず口を利かないモノから排除される
弱い者から虐げられる
私はタロウを守るものでずっとありたいと思う
そして
最低な自分にならぬように戒めを解かず生きていたいと思う
昨夜 昭和に流行した歌を特集した番組を見た
父が好むであろうと思ってのこと
近ごろのテレビ番組は なかなか父の好みに合うのがないのだ
そのゲストに宝田明さんがいた
満州鉄道に勤める父に従って満州に渡った と
当時の日本とは違った西洋風の生活を送り
そして
命からがら日本に逃げ戻った と
その時の話
その頃犬を飼っていたのだが
日本に戻るにあたり 連れ帰れなくなった
友達の犬は毒死させたが
自分の犬にはできなかった
歩いて歩いてようやく列車に乗り込んだその時
置いてきたはずの自分の犬がホームにいた
自分たちの窓をめがけて
飛び上がって ポンポン と前脚で窓を打つ
ヒトはみな 背を低くして 犬に見えないように隠れていた
それでも犬は正しく自分の家族のいる窓に向かって飛び続けた
この時 ヒトの家族も一人欠けていた
一番上の子どもが労働に駆り出された後行方が分からず
列車の都合があったのか その子を置いて 日本に戻った
ずっと後になって
避難した場所にその子が訊ねて来た
宝田さんとその親は驚き喜んだが
置いていかれた子は
「なぜ俺を置いて行った!」と怒りを露わにした
私の涙腺が崩壊したのは犬の話だった
置いていかれた子の話ではなかった
ヒトは帰れたが 犬は帰れなかった
あの犬はどうしたのだろう
どうなったのだろう
家族から訳もわからず放された仔
私は自分という人間をそんなに信用していない
愚かなことだけれど
もし 私が宝田さんだったとして
その犬がタロウだったとして
私は動乱の中 タロウを見捨てずにいれただろうか
タロウを残すのなら 私もこの地に残る
と決意できただろうか
自分だけが生き残る道を選ぶのではないだろうか
そんな疑惑が自分の中に湧きおこる
だから 私は戦争を 非常事態を 嫌悪する
自分が人非人になってしまうような
そんな状況を生み出すものを排除したい
穏やかな普通の毎日が崩れた時
まず口を利かないモノから排除される
弱い者から虐げられる
私はタロウを守るものでずっとありたいと思う
そして
最低な自分にならぬように戒めを解かず生きていたいと思う
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